親の老後で本当に怖いのはお金じゃない|家族が直面する本当の不安

親とお金の話

「認知症」

「相続」

「口座凍結」

仕事柄、私はこうした言葉の「解決策」をずっと提案してきました。 

 制度のメリットも、手続きの進め方も、誰よりも詳しく知っている自負がありました。

でも、いざ自分の親のこととして考えたとき、

あんなに使い慣れていたはずの言葉が、

急に得体の知れない「怖さ」を帯びて迫ってきたんです。

専門家としてなら、いくらでも正解を言える。

なのに、息子としての自分は、何から手をつけたらいいか分からず立ち止まってしまう。

最近になって、ようやくその理由が分かってきました。 

私が一番怖がっていたのは、「お金」の問題そのものじゃなかったんです

「解決策」を知っているのに、なぜ怖いのか

仕事柄、

相続や認知症に関する話題に触れることは多いです。

「こういう制度がありますよ」

「こう備えれば安心ですよ」

お客様には、自信を持ってそうお伝えしてきました。

でも、親の将来を想像した瞬間、

その知識が、ほとんど役に立たなくなった。

理由は簡単で、

自分が「当事者」になった時の心の揺れまで計算に入れていなかったからです。

プロとして知っている「制度」と、自分の「生活」に起きることの間には、思った以上に大きな距離がありました。


私が本当に怖かったのは、混乱だった

正直に言うと、

「いくら残るか」

「損をしないか」

そういう話は、二の次でした。

それより怖かったのは、こんなことです。

  • もし急に倒れたら、私は何から動けばいいんだろう
  • どこに何があるのか、分からなかったらどうしよう
  • 家族の中で、話が食い違ったらどうなるんだろう

つまり、

お金の問題というより、「家族としての段取り」が分からなくなることへの恐怖です。

「その時になれば何とかなる」

そう言い聞かせながらも、

心のどこかで、ずっと正体の知れない不安が引っかかっていました。

不安を言語化すると楽になる理由

あるとき、

「仕事の理屈」で考えるのを一度やめてみました。

仕事での私は、

常に「損をしないためのベストな方法」を提案しています。

どの制度を使えば良いのか、どう契約すれば法的に完璧か。

でも、そんな「理屈」だけではどうしても埋められない不安がありました。

「理屈ではこっちが正解だけど、親にそんな話できるわけない」

「損得以前に、もしもの時に自分がパニックになりそうで怖い」

そういうプロとしての自分を一度脇に置いて、

まずは「一人の息子」として、

何がそんなに怖いのかを整理してみることにしました。

今の不安をただ書き出してみたんです。

  • 認知症になった時の手続きの不安
  • 相続が起きた時の人間関係の不安
  • 実家の管理を誰がやるかの不安

すると、不思議なことに、

全部が一つの大きな不安じゃなかったことに気づきました。

認知症の不安

相続の不安

実家の管理の不安

別々の心配事が、混ざっていただけだった。

それが整理できただけで、

少し呼吸が楽になりました。

「準備を始める前の準備」が必要だった

今思えば、

これは「準備を始める前の準備」だったんだと思います。

いきなり制度を調べなくて良かった。

いきなり結論を出そうとしなくて良かった。

まず、自分の中の怖さを分解すること。

それができて、

ようやく次に進める状態になった気がしました。

「制度」より先に、向き合うものがあった

この段階では、

まだ具体的な制度の話はしていません。

でも、それで良いと思っています。

なぜなら、

自分が何を怖がっているか分からないまま制度を調べても、

たぶん続かないし、

納得感も得られないからです。

私にとって必要だったのは、

「どう守るか」より前に、

「何を守りたいのか」を整理することでした。

「準備」の本当の始まり

世の中には、

このような不安に対応するための仕組みや道具があります。

ただ、それは

不安を無理やり消すための魔法ではありません。

混乱を減らして、

家族がちゃんと動けるようにするための「杖」のようなものです。

もし今、

「何となく不安だけど、何から考えればいいか分からない」

と感じているなら、

それは準備が遅れているサインではありません。

「不安に対する準備をはじめた」という証拠です。

次は、

この不安たちを受け止めるために、

どんな選択肢があるのかを、全体像から見てみようと思います。

名前はまだ覚えなくていい。

まずは、「選べる道がある」と知るところから始めてみませんか。

【あわせて読みたい】

不安の正体が少し見えてきたら、まずはこんな「小さな確認」から始めてみませんか?お金の金額よりも先に、聞いておくべきことがありました。 [▶︎通帳より先に、聞くべきことがあった。親とお金の話を始める「順番」の話]

コメント

タイトルとURLをコピーしました